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執筆者
shimpei
細川真平 1964年生まれ。音楽ライター/エディター。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイ・ヴォーン他のCD/DVDのライナーを手がける。また、音楽誌、ギター誌、ウェブ等にも幅広く執筆。
ギターは絶対ストラト主義。
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クロスロード・ギター・フェスティヴァルを巡るあれこれ
2013年04月11日
4月12~13日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでエリック・クラプトン主催の“クロスロード・ギター・フェスティヴァル”が行われる。

http://www.crossroadsguitarfestival.com/

萩原朔太郎風に言うなら、「ニューヨークへ行きたしと思へども ニューヨークはあまりに遠し」の心境だ。

とは言え、'04年にテキサス州ダラスで行われた第1回には行った。
別にダラスが遠くなかったというわけではなく、ものごとにはタイミングというものがある、ということだ。

思い出すシーンはいくつもあるけれど、エリック、ジェフ・ベックの共演による「哀しみの恋人達」は特に印象に残っている。
後に出たライヴDVDに収録されなかったから余計かもしれない。

それにしても、テキサスは熱かった。
炎天下のフットボール場で1日中ライヴを観ていると、体が溶けるかと思った。
もちろん、各アーティストの演奏も負けないほどに熱かったけれど。

ライヴの翌日、スティーヴィー・レイ・ヴォーンのお墓参りに行った。
広大な霊園の中にスティーヴィーは眠っている。
彼の墓石に祈りを捧げ、そこに僕のピックを置き、石(もちろん墓石ではなく、彼の敷地の周りを囲っている石のひとつ)に腰掛けて、MDウォークマンでスティーヴィーの音楽を聴いた。

1時間半ほどもそうしていただろうか。
その間には、何人かのアメリカ人のファンがやはりお参りに来た。
彼、彼女らと話していると、誰も生でスティーヴィーを観たことがないという。
「僕は'85年に日本で観たよ。最初で最後の日本公演だった」と言うと、心の底から羨ましがられた。
少しくすぐったい思いだった。

翌朝、帰国するためにホテルでパッキングをしていると、ベッドの上に投げ出してあったMDウォークマンがいきなり鳴り出した。
いっさい触れていないのに。
つなぎっぱなしだったイヤホンから漏れてくるスティーヴィーの歌声とギター・プレイを聴きながら、ああ、彼が挨拶してくれたんだと思った。彼のソウルをしっかりと感じ取り、“Thank you, Stevie”と僕は呟いた。

クロスロード・ギター・フェス開催というニュースを聞くと、そんなあれこれが心の中に甦ってくる。


 
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